ろびろびQ -R-

家猫&元外猫の日常

2015年09月 | ARCHIVE-SELECT | 2015年11月

| PAGE-SELECT |

≫ EDIT

最後の食事6

うさちゃんの亡骸はいま、彼が大好きだった物置に安置してある。
明日の旅立ちに添えるガーベラの花も用意した。
優しい性格の彼に似合う、優しい色合いの花だ。


明日の正午、うさちゃんは空に還る。


10年前に橋を渡った母猫ママちゃんと妹猫ぱな子。
そして、うさぎ保育園の優秀な園児だったわかちん
もしかしたら既にそっちへ行っているかもしれない妹ちゅんちゅん
久しぶりの再会を果たすのだろう。


面倒見の良い彼のことだから
きっと天国でもうさぎ保育園を開園するに違いない。

それもいいと思う。

みんなの面倒を見ながら「しょうがないですねぇ~(うな)」と。





うさちゃんの亡骸をなでながら
彼が最後にとった食事のことを思い出していた。



あのコは、私が用意したごはんをおいしいと思ってくれただろうか。

| 3兄妹 | 19:15 | comments:7 | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

最後の食事5

うさちゃんを入れた箱を抱えて自宅に戻ると
食後の散歩に行ったはずのボーちゃんが門の前で待っていた。

タターっと走り寄ってきて私の脚にスリスリ。
なんだよ、またおかーさん迎えに行ったんか


違うんだボーちゃん、迎えに行ったのは。




庭の芝生の上に箱を下ろし、ふたを開ける。
すかさずボーちゃんが箱の縁に手をかけて中をのぞきこむ。
最初はしっぽ側から、そして顔のほうへ移動して、またのぞきこむ。
そのまま中に飛びこみそうな雰囲気でしばらくうさちゃんの亡骸をみつめていたが
やがてゆっくりと縁から手を下ろし、毛づくろい。

なんだよ兄ちゃん、まだ寝てんのか。お寝坊さんだな


うん、そうだね。
きっとまだ眠りの途中なんだ。
そのうち大きくあくびをしながら「うんな~~」って。


うんな~~っ」て。

| 3兄妹 | 18:52 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

最後の食事4

前が見えなかった。

いい歳をした大人が朝からダンボール箱を抱えて
下を向きながら早足で歩いていた。
これから仕事だというのに、これからお化粧しなくちゃいけないのに。


おいコラ、起きろ。
ごはん食べるんでしょ。
お願い、起きて。


いつもなら100%返事をしてくれるのに

何度話しかけても
何度体をさすっても
キミの体は冷たいままで。

| 3兄妹 | 08:32 | comments:3 | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

最後の食事3

たまおじさんの言うとおり
まるで眠っているかのようにうさちゃんは横たわっていた。
右肩を下に、両手足を投げ出すような形で。


死後硬直後で既に硬くなっていた体には外傷らしきものは見当たらず。
しかし、わずかに開かれた口の歯と歯の間から舌が出ていて
若干、血がにじんでいた。
何か苦しむようなことがあったのだろうか。



事故なのか毒物摂取なのか内臓疾患による急変なのかはわからない。
ただ、亡くなる直前までうさちゃんは本当に元気だった。
ボーちゃんのごはんの残りを
「しょうがないですねぇ」とモグモグたいらげていた。


すぐに家へ引き返し、持ってきたダンボール箱に
バスタオルにくるんだうさちゃんをそっと入れた。
そのダンボール箱は数日前に取り寄せた兄ちゃんず(11歳以上)用の
カリカリが入っていた箱だった。
「新しいごはんが来たようさちゃん。がんばって食べて長生きしようね」


そう話したばかりだったのに。

| 3兄妹 | 08:01 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

最後の食事2

うさちゃんが倒れていた場所。

そこはプっちゃんの別宅があるたまおばさんちの隣で
奇しくも10年前に亡くなった同腹妹のぱな子の遺体がみつかった家の庭だった。

「おらぁ最初、寝てるのかと思って(舌を)チョッチョッてしてみたんだけんど起きんくて」

たまおじさんにはたしかうさちゃんの名前をちゃんと教えていなかったはず。
・・・が、おじさんは「うさぎが」と我が家に飛びこんで来た。
きっとたまおばさんに聞いたのだろう。


うさちゃんが亡くなる一週間ほど前、たまおばさんがうちの前を通って
「ここんとこボーちゃんがよくうちに来て、たま(プっちゃん)がごはんを食べていると
うあー(ボクにもくれー)って鳴くから少しあげると、たまと一緒に食べてるんだよ」と
うさちゃんを指しながら言うので

「このコはボーちゃんじゃなくてうさぎって言うんですよ。
ボーちゃんはあっちの茶トラのコ」と教えてあげると
勘違いしていたらしいたまおばさんは
「ああそうなんだ、ずっとこのコがボーちゃんだと思ってた(笑)」と。

その後、やはり図々しくごはんをねだりに来たうさちゃんのことを覚えていて
その場にいたたまおじさんに教えてあげたのだろう。


やっと名前を覚えてもらえたのに、なぜキミは。

| 3兄妹 | 07:29 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

最後の食事

あのコが最後にとった食事のことを思い出していた。

ああそうだ、木曜日(22日)の朝、大好きな黒缶ささみ入りかつお味だった。


物置いっぱいに広がるホクホクのにおいに、もう待ちきれなくて待ちきれなくて
お皿にわけている間、ずっとウロウロ、うなうな。
古いオルガンの上から何度も私の背中をポンポンとたたいてごはんの催促。
うんなー(まだですかー)」


一番最後に食べ始めたのに一番最初に完食して
(彼は食べるのが早く、食べ終わると他のコのお皿に行ってしまうので
お皿はいつも最後に配っていた)

いつものようにわざと「えっ、もう食べちゃったの!?」と驚くと
ばつが悪そうに「うな~」と小首をかしげるような仕草をして。

そんな様子がかわいくて、「よしよし」とお尻をポンポンしながら
「そうか、おいしかったか(笑)まだまだたくさん買ってあるから
また明日の朝食べようね」と話しかけると、「うな~~」と返事。


・・・でも、その明日が彼に来ることはなかった。


次に彼を見たのは翌朝(23日)、ご近所さんちの庭。
前日の夕食時から姿を見せない彼に若干の不安を覚えつつも
「大丈夫、今までだって一日二日いないことはあったけどちゃんと帰ってきた。
今回だってきっと夜にはボーちゃんと一緒に門の前で私の帰りを待っていてくれるはず」
そう半ば言い聞かせるように出勤の支度をしているところにたまおじさんが来て

「おい、うさぎが死んでるど」


何度名前を呼んでも動かなかった。
体は冷たく硬く、何度話しかけても答えてくれることはなかった。

| 3兄妹 | 06:00 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

| PAGE-SELECT |